犬が掘るのをやめさせたい!7つの理由と場所別のしつけ・対策を解説

愛犬が庭やソファなど、あちこちを掘る行動に「どうして?」「どうすればやめさせられるの?」と頭を悩ませていませんか?

困った行動には、本能やストレスなど様々な理由が隠されています。この記事では、犬が掘る7つの心理を解き明かし、庭・室内といった場所別の具体的なしつけ・対策を解説します。愛犬の気持ちを理解し、お互いが快適に暮らすためのヒントがここにあります。

犬が穴を掘るのはなぜ?困った行動には意味がある

愛犬が庭やソファを夢中で掘っている姿は、微笑ましくも飼い主にとっては悩みの種ですね。実は、掘る行動の多くは犬が昔から持っている「本能」に根差しています。

そもそも犬が掘るのは止められない本能的な行動

犬が地面などを掘る行動は、祖先であるオオカミから受け継いだ本能的な習性です。そのため、この行動を完全に無くすことは非常に困難であり、無理にやめさせようとすることは犬にとって大きなストレスになります。

犬たちの祖先は、生き抜くために穴を掘る必要がありました。大切なのは「なぜ掘るのか」を理解し、その欲求を適切な形で満たしてあげることです。

本能が理由であることを知るだけで、飼い主の気持ちも少し楽になるはずです。まずは、愛犬の行動を頭ごなしに叱るのではなく、その背景にある本能を理解することから始めましょう。

野生時代の名残①:巣穴を作って安心していた

犬の祖先は、外敵から身を守り、安全に出産や子育てをするために地面に穴を掘って巣穴を作っていました。狭くて暗い場所は、犬にとって非常に安心できる空間なのです。

この名残から、現代の犬たちもソファやベッド、クッションなどを掘り、自分の寝床を快適で安心できる場所に整えようとします。特に寝る前によく掘る行動が見られるのは、安心して眠るための環境を自分で作っている証拠です。

愛犬が安心して休めるように、快適な寝床を用意してあげることが、掘る行動を減らす第一歩となります。

野生時代の名残②:獲物を探したり食料を隠したりしていた

野生で暮らしていた頃、犬の祖先は地面の中に住むネズミなどの小さな獲物を捕まえるために穴を掘っていました。嗅覚で獲物の匂いを察知し、力強く掘って探し出していたのです。

また、食べきれなかった獲物や大切な食料を、他の動物に奪われないように土の中に隠す習性もありました。この本能から、現代の犬もおもちゃや食べ物などを庭やカーペットの下に隠そうとすることがあります。

もし愛犬がおやつをもらった後に特定の場所を掘り始めたら、それは大切な宝物を隠そうとしているのかもしれません。

【理由別】あなたの愛犬はどれ?犬が地面や床を掘る7つの心理

犬が掘る行動は、本能だけが理由ではありません。日々の生活の中で感じるストレスや退屈、飼い主へのメッセージなど、様々な心理が隠されています。愛犬の様子をよく観察し、どの理由が当てはまるか考えてみましょう。

理由①:運動不足や退屈によるストレス

犬は本来、体を動かすことが大好きな動物です。散歩の時間が短かったり、家の中で遊ぶ機会が少なかったりすると、有り余ったエネルギーを発散できずにストレスが溜まります。

その溜まったエネルギーや欲求不満を解消する手段として、掘るという行動に没頭することがあります。何かに夢中になることで、退屈な気分を紛らわそうとしているのです。

例えば、毎日同じ時間に留守番をしている犬が、決まってその時間帯に壁や床を掘る場合、退屈さが原因である可能性が高いです。

理由②:飼い主の気を引きたい・かまってほしい

犬はとても賢く、飼い主の注意を引く方法を学習します。以前、犬が掘ったときに飼い主が「やめなさい!」と大きな声を出したり、慌てて駆け寄った経験はありませんか。

犬はその経験から「掘れば飼い主さんが自分に注目してくれる」と学習し、わざと掘る行動をすることがあります。飼い主にとっては叱っているつもりでも、犬からすれば「かまってもらえた」とポジティブに捉えてしまうのです。

静かにお利口にしている時よりも、いたずらをした時の方が注目されると感じると、この行動はどんどんエスカレートしてしまいます。

理由③:不安や恐怖を感じている

犬は、雷や花火の大きな音、見知らぬ人や動物の存在、長時間の留守番などによって強い不安や恐怖を感じることがあります。そのような時、自分を落ち着かせるための行動として穴を掘ることがあります。

これは「転位行動」と呼ばれるもので、不安や葛藤を感じた際に、本来の状況とは全く関係のない行動をとって気持ちを静めようとする心理的な働きです。巣穴に隠れて安心していた本能とも関連しており、掘ることで不安な状況から逃避しようとしているのです。

もし愛犬が特定の状況下でだけ掘る行動を見せるなら、何かに恐怖を感じているサインかもしれません。

理由④:単に遊びとして楽しんでいる

特別な理由がなくとも、穴を掘ること自体が楽しくて、遊びの一環として行っている場合があります。土の感触や匂い、掘り進める達成感などが、犬にとって魅力的なエンターテイメントなのです。

特に、テリア種やダックスフンドなどのアナグマ猟で活躍していた犬種は、掘ることがDNAに強く刻まれており、遊びとして掘ることを好む傾向があります。楽しそうにしっぽを振りながら、夢中になって庭を掘り返している場合は、このケースに当てはまる可能性が高いでしょう。

犬にとっては困った行動でも、犬自身は最高のレクリエーションを楽しんでいる最中かもしれません。

理由⑤:巣作りのための準備行動(特にメス)

出産を控えたメス犬が、安心して子育てできる巣穴を作るために、床やベッドをホリホリすることがあります。これは母性本能による行動であり、非常に自然な習性です。

また、実際には妊娠していなくても、発情期の後に妊娠したかのような状態になる「偽妊娠(想像妊娠)」によって、同様の巣作り行動が見られることもあります。偽妊娠とは、ホルモンバランスの乱れによって起こる生理現象で、お腹が膨らんだり、母乳が出たりすることもあります。

この行動が見られる場合、犬は非常にデリケートな状態にあります。叱ったり無理にやめさせたりせず、静かに見守り、不安な場合は獣医師に相談することをおすすめします。

理由⑥:暑い・寒いなど、快適な場所を探している

犬は、人間のように服を着たり、空調を操作したりして体温調節をすることができません。そのため、自分で快適な環境を見つける必要があります。

暑い日には、ひんやりとした冷たい土を求めて地面を掘り、その穴で体を冷やそうとします。逆に寒い日には、風を避けられる穴を作ったり、丸まって体温を保とうとしたりします。

もし、夏場の暑い日中に庭を掘っていたり、冬場に毛布やクッションを執拗に掘っていたりする場合は、温度管理がうまくいっていないサインかもしれません。

理由⑦:気になる音や匂いがする

犬の聴覚や嗅覚は、人間とは比べ物にならないほど優れています。人間には感知できないような、地面の中のモグラの音や、過去に他の動物がつけた匂いを察知することができます。

庭の特定の場所だけを執拗に掘り返す場合、その地下に何か犬の好奇心を強く刺激するものがあるのかもしれません。それは、昆虫の幼虫であったり、以前に隠したおやつの残り香であったり、理由は様々です。

この探求心からくる行動は、犬にとって非常に楽しく、夢中になれるものです。原因が特定できれば対策も立てやすいですが、多くの場合、人間には理由が分からないことがほとんどです。

【場所別】今日からできる!犬が掘るのをやめさせるための具体的な対策

愛犬が掘る理由は様々ですが、飼い主としては困った行動をやめさせたいのが本音でしょう。ここでは、「庭」「室内」「家具」といった場所別に、具体的で実践的な対策方法を紹介します。

ケース①:庭の土や花壇を掘る場合

庭は犬にとって、思う存分掘る欲求を満たせる魅力的な場所です。しかし、ガーデニングが台無しになったり、庭が穴だらけになったりするのは避けたいものです。犬の楽しみを完全に取り上げるのではなく、ルールを教えるという視点で取り組みましょう。

対策:犬が嫌がるニオイのするものを置く(木酢液など)

犬の優れた嗅覚を利用し、掘ってほしくない場所に犬が苦手とするニオイのものを置く方法です。市販の犬猫用の忌避剤や、自然由来の木酢液・竹酢液の希釈液などをスプレーするのが一般的です。

メリット デメリット
手軽に試せる 効果に個体差がある
広範囲に使いやすい 雨で流れるため、こまめな散布が必要
植物への害が少ないものもある ニオイが人間にとっても不快な場合がある

最初に試す対策として手軽ですが、効果が永続的ではないことを理解しておく必要があります。

対策:物理的に入れないよう柵やネットで囲う

最も確実で効果的な方法の一つが、物理的にその場所にアクセスできないようにすることです。掘られたくない花壇や家庭菜園の周りを、犬が飛び越えられない高さの柵やガーデンフェンスで囲います。

広範囲を掘ってしまう場合は、犬を庭で遊ばせるエリア自体をフェンスで区切る「ドッグランスペース」を作るのも良いでしょう。また、掘り返されたくない地面に園芸用のネットやブロックを敷き詰めて、物理的に掘れなくする方法もあります。

初期費用や設置の手間がかかるというデメリットはありますが、一度設置してしまえば継続的な効果が期待できます。

対策:掘っても良い専用のスペース(砂場など)を作る

犬の「掘りたい」という本能的な欲求を無理に抑えつけるのではなく、正しい場所で発散させてあげるという考え方です。庭の一角に、犬が自由に掘っても良い専用の砂場や土のスペースを用意します。

初めは飼い主が一緒におもちゃを隠して探させるなど、その場所が「楽しい特別な場所」だと教えてあげましょう。「ここではいくら掘っても良いけれど、花壇はダメ」というルールを根気強く教えることで、犬も満足し、飼い主の悩みも解決します。

この方法は、犬のストレスを溜めずに問題を解決できる理想的なアプローチです。

ケース②:室内の床・カーペット・壁を掘る場合

室内での掘る行動は、床材や壁紙を傷つけるだけでなく、犬が爪を痛めたり、床材を誤飲したりする危険も伴います。室内での行動は、主に退屈や運動不足が原因であることが多いため、犬の生活の質を見直すことが重要になります。

対策:散歩や遊びの時間を増やしてエネルギーを発散させる

室内での問題行動の多くは、有り余ったエネルギーが原因です。毎日の散歩の時間や距離を少し延ばしたり、週末にはドッグランに連れて行ったりして、思い切り運動させてあげましょう。

重要なのは、ただ長く歩くだけでなく、散歩の「質」を高めることです。コースを時々変えて新しい刺激を与えたり、匂いを嗅ぐ時間を十分に確保したりすることで、犬は心身ともに満足します。

また、家の中でも「持ってこい」遊びや引っ張りっこなど、飼い主とのコミュニケーションを伴う遊びを取り入れることで、犬の満足度は大きく向上します。

対策:知育おもちゃを与えて退屈な時間をなくす

犬は体だけでなく、頭を使うことでもエネルギーを消費し、満足感を得ます。おやつやフードを隠して、犬が自分で考えて取り出すように設計された「知育トイ」や「コング」などを与えることは、退屈しのぎに非常に効果的です。

特に、飼い主が留守にする時間帯に与えるのがおすすめです。夢中になっておもちゃで遊んでいるうちに、退屈や寂しさを感じにくくなり、掘るなどの問題行動を防ぐことができます。

知育トイには様々な難易度のものがありますので、愛犬のレベルに合ったものから始めてみましょう。

対策:滑り止めマットや保護シートを活用する

フローリングなどの滑りやすい床は、犬が踏ん張りにくく、ホリホリ行動を誘発することがあります。犬がよく掘る場所に、滑り止めの効果があるタイルマットやカーペットを敷くことで、足元が安定し、掘る行動が軽減される場合があります。

また、すでに傷がついてしまったり、これ以上傷をつけたくない場所には、壁や床に貼るタイプの保護シートを活用するのも有効です。透明なシートであれば、お部屋の景観を損なわずに大切な家具や壁を守ることができます。

これらの物理的な対策は、根本的な原因解決にはなりませんが、被害を最小限に食い止めるためには非常に役立ちます。

ケース③:ソファ・ベッド・クッションを掘る場合

ソファやベッドを掘るのは、寝心地の良い寝床を作ろうとする本能的な行動であることが多いです。しかし、高価な家具がボロボロにされてはたまりません。犬の本能的な欲求を理解し、代わりとなる魅力的な選択肢を提供してあげることが解決の鍵となります。

対策:愛犬専用の快適なベッドや寝床を用意する

犬がソファやベッドを掘るのは、そこが飼い主の匂いがして安心でき、かつ快適な場所だからです。その欲求を満たせるように、愛犬が安心できる素材でできた、体を包み込むような形の専用ベッドを用意してあげましょう。

ベッドの置き場所も重要です。家族が集まるリビングの隅や、飼い主の寝室など、犬が安心できる場所に設置します。

そのベッドでリラックスしていたら褒めてあげて、「自分の場所はここだ」と教えてあげることが大切です。ドーナツ型やあご乗せできるタイプのベッドは、特に犬に好まれる傾向があります。

対策:家具にカバーをかけたり、一時的に乗れないようにする

新しいベッドを用意しても、どうしてもソファで掘ってしまう場合は、物理的な対策も必要です。ソファに犬が嫌がる素材のカバー(ツルツルした生地など)をかけたり、厚手のマルチカバーで保護したりしましょう。

また、飼い主の見ていないところでは、ソファの上に物を置くなどして、一時的に乗れないようにするのも一つの手です。犬が「ソファは掘る場所でも寝る場所でもない」と学習するまで、根気強く続ける必要があります。

この対策は、犬の楽しみを奪うことにもなりかねないので、必ず「代わりとなる快適な寝床」を用意した上で行うことが重要です。

対策:爪を短く切ってあげる

掘る行動そのものを止められなくても、被害を最小限に抑えるためのケアは重要です。犬の爪が伸びていると、少し掘っただけでも布製品はすぐにほつれ、床や壁も傷つきやすくなります。

定期的に爪を切り、先端をヤスリで丸くしておくことで、家具へのダメージを大幅に減らすことができます。また、伸びすぎた爪は歩行に影響を与えたり、巻いて肉球に刺さったりする危険もありますので、犬の健康のためにも爪のケアは欠かせません。

自宅での爪切りが難しい場合は、動物病院やトリミングサロンでお願いしましょう。

【しつけの基本】掘るのをやめさせる効果的な伝え方

様々な対策を行っても、犬が掘るのをやめない場面もあるでしょう。そんな時、どのように伝えれば犬に理解してもらえるのでしょうか。感情的に叱るのではなく、冷静に、一貫した態度で接することが成功への近道です。

叱るより「中断させて気をそらす」が効果的

犬が掘っている最中に、大きな声で叱りつけるのは逆効果になることがあります。先述の通り、犬は「注目してもらえた」と勘違いし、行動を強化してしまう可能性があるからです。

最も効果的なのは、低い声で「あ」など短い音を出して犬の注意を引き、行動を中断させることです。そして、犬が掘るのをやめて飼い主の方を見たら、すぐにおもちゃを見せたり、「おすわり」などの得意なコマンドを指示したりして、意識を別のことにそらします。

掘る行動から意識をそらし、別の望ましい行動ができた時に褒めてあげる。この繰り返しによって、犬は「掘るのをやめると良いことがある」と学習していきます。

「ダメ」「イケナイ」など短い言葉で一貫して教える

犬にしつけをする際は、言葉の分かりやすさと一貫性が非常に重要です。「こら!そこを掘ったらダメでしょ!」のように長い言葉で伝えても、犬は何を叱られているのか理解できません。

掘るのをやめさせたい時は、「ダメ」や「ノー」など、家族間で決めた短い言葉(コマンド)を、低い声で、はっきりと伝えましょう。重要なのは、コマンドを家族全員が同じ場面で同じように使うことです。

ある人は叱り、ある人は見過ごすという状況では、犬は混乱してしまい、ルールを学ぶことができません。コマンドは、行動のまさにその瞬間に使うのが鉄則です。

成功したら大げさに褒めてあげる

犬のしつけにおいて、「叱ること」以上に「褒めること」が何倍も重要です。犬は、飼い主に褒められることを何よりの喜びと感じ、その行動を繰り返そうとします。

掘るのをやめて飼い主の指示に従えた時や、掘らずにお利口に過ごせている時に、少し大げさなくらい褒めてあげましょう。「すごい!」「いい子だね!」と高い声で褒めながら体を撫でたり、特別なおやつを少し与えたりするのも効果的です。

望ましくない行動を叱るよりも、望ましい行動をした瞬間にすかさず褒める。このポジティブなコミュニケーションを積み重ねることが、愛犬との信頼関係を築き、問題行動を解決する一番の近道です。

ちょっと待って!その行動、病気のサインかも?

犬が掘る行動のほとんどは本能や心理的なものが原因ですが、ごく稀に、その背景に病気が隠れていることがあります。「いつもと様子が違う」「行動が過剰すぎる」と感じたら、注意深く観察し、必要であれば専門家に相談することが大切です。

爪や肉球からの出血など怪我に注意

硬い床や壁を執拗に掘り続けると、犬自身の体にダメージが及ぶことがあります。特に注意したいのが、爪の損傷や肉球の擦り傷です。

掘る行動によって爪が根元から折れたり、割れたりすると、強い痛みを伴い、出血することもあります。また、ザラザラした壁などで肉球が擦り切れてしまうと、そこから細菌が入って化膿する危険性もあります。

愛犬が掘った後に足を気にしたり、歩き方がおかしいと感じたりしたら、すぐに足先をチェックしてください。怪我をしている場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。

同じ行動を過剰に繰り返す「常同障害」の可能性

常同障害とは、特定の目的がない行動を、常同的(同じペースで同じことを繰り返す)かつ過剰に、日常生活に支障が出るほど行う状態を指す行動の障害です。強いストレスや不安、長期間の退屈な環境が引き金になると考えられています。

例えば、飼い主が制止しても全くやめず、何時間もひたすら床を引っ掻き続けるような場合は、単なる癖ではなく常同障害の可能性があります。自分の尻尾を追いかけ続ける、同じ場所を舐め続けるといった行動もサインの一つです。

この場合は家庭でのしつけだけで改善するのは難しいため、行動診療を専門とする獣医師への相談が必要です。

高齢犬(シニア犬)の場合は認知症のサインも

人間と同じように、犬も高齢になると認知機能が低下することがあります。これまでしなかったのに、急に夜中に目的もなくウロウロしたり、意味もなく壁に向かって掘るような行動が見られたりする場合、それは認知症のサインかもしれません。

認知症の症状には、名前を呼んでも反応が鈍くなる、トイレの失敗が増える、狭い場所に入りたがり、後ずさりできなくなる、夜鳴きをするなどがあります。これらのサインが複数見られる場合は、加齢によるものと自己判断せず、一度動物病院で相談してみることを強くおすすめします。

不安な場合は迷わず獣医師やドッグトレーナーに相談を

様々な対策を試しても一向に改善しない場合や、行動がエスカレートしていく場合、また病気の可能性が少しでも疑われる場合は、一人で抱え込まずに専門家の力を借りましょう。

体の問題が疑われる場合は「獣医師」に、しつけや行動の問題が原因だと考えられる場合は「ドッグトレーナー」に相談するのが適切です。特に、行動診療を専門とする獣医師は、医学的な観点と行動学的な観点の両方から、最適なアドバイスをしてくれます。

専門家は、多くの犬の問題行動を見てきたプロフェッショナルです。客観的な視点で原因を分析し、その子に合った解決策を提案してくれるでしょう。

犬が掘る行動に関するよくある質問

ここでは、犬の掘る行動に関して、飼い主さんからよく寄せられる質問とその回答をQ&A形式で紹介します。他の飼い主さんが抱える同じような疑問を知ることで、あなたの悩みを解決するヒントが見つかるかもしれません。

Q1. 特に掘りやすい犬種はいますか?

はい、犬種によって掘る行動のしやすさに傾向はあります。特に、テリア種やダックスフンド、ビーグルといった犬種は、もともと地面の穴にいる獲物を狩るために改良された「猟犬」であるため、掘る本能が非常に強いと言われています。

例えば、ジャック・ラッセル・テリアはキツネ狩り、ダックスフンドはアナグマ狩りで活躍していました。彼らにとって掘ることは、仕事であり、最大の楽しみでもあるのです。

もちろん、個体差はありますので、猟犬の血を引く犬種がすべて掘るわけではありませんし、それ以外の犬種でも掘る行動は見られます。犬種の特性を理解しておくことは、愛犬の行動を理解する上で役立ちます。

Q2. 留守番中に掘ってしまいます。どうすればいいですか?

留守番中に掘る行動は、「分離不安」や「退屈」が主な原因と考えられます。分離不安とは、飼い主と離れることに強い不安を感じ、問題行動を起こしてしまう状態です。

対策としては、まず留守番の前に十分な散歩や遊びを行い、愛犬を適度に疲れさせておくことが効果的です。また、先述した「知育トイ」などを活用し、留守番中に夢中になれるものを用意してあげましょう。

飼い主が出かける際に「行ってくるね!」などと過剰に声をかけると、かえって犬の不安を煽ることがあります。なるべく普段通りに、さりげなく出かける練習をするのも一つの方法です。

Q3. 叱るとやめますが、またすぐに繰り返します。どうしてですか?

叱ったその瞬間は行動をやめても、見ていないところで繰り返すのは、根本的な原因が解決していない証拠です。犬は「飼い主が見ている前で掘ると叱られる」と学習しただけで、「掘ること自体がいけないことだ」とは理解していません。

また、「叱られる=注目してもらえる」という誤った学習が定着している可能性も高いです。この場合、叱れば叱るほど、犬は飼い主の気を引くために行動を繰り返すという悪循環に陥ってしまいます。

この状況を断ち切るには、叱ることに頼るのではなく、「エネルギーを発散させる」「退屈させない」「掘っても良い場所を提供する」といった、欲求を満たしてあげる方向でのアプローチに切り替えることが不可欠です。

まとめ:掘る理由を正しく理解し、愛犬との信頼関係を深めよう

犬が穴を掘るのは、多くの場合、祖先から受け継いだ本能に基づく自然な行動です。その背景には、ストレスや退屈、不安など、愛犬からの何らかのメッセージが隠されています。

最も重要なのは、掘る行動を頭ごなしに叱りつけるのではなく、「なぜこの子は掘っているのだろう?」と愛犬の気持ちに寄り添い、その原因を理解しようと努める姿勢です。原因に応じた適切な環境改善やエネルギーの発散、そして掘っても良い場所の提供などを行うことで、犬の欲求を満たし、問題行動を減らしていくことができます。

困った行動を解決していくプロセスは、愛犬とのコミュニケーションを深め、より強い信頼関係を築く絶好の機会です。この記事を参考に、ぜひ今日からできる対策を始めてみてください。

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カテゴリー: Karutaku